御坂山塊は、西湖の北側山域の縦走ルート「毛無山・十二ヶ岳・鬼ヶ岳」を登ってきました。
これまで、このルートは冬の毛無・十二ヶ岳、春の大石峠から金山経由十二ヶ岳、いやしの村から鬼ヶ岳
周回、大石峠から金山・鬼ヶ岳とパート分けで登ったことはありますが、「毛無山・十二ヶ岳・鬼ヶ岳」の縦走
は今回が初めてです。
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今回は、私達夫婦に加えて、初めて同行するトシさん・タケさんと4人での山行。

トシさんとは、10年前の単身赴任時代に登山という共通の趣味で親しくして頂いており、同窓会で上京
されるタイミングで声をかけて頂き計画した山行プランです。  単身赴任時代には週末には八王子に
戻り、そこを起点で山登りをしていたのでトシさんと登るのは何と今回がはじめて。
タケさんは、トシさんのご近所さんで、10年前の私と逆に八王子で単身赴任生活中。

お二人とも、強者で
 トシさんの山歴は学生時代から今も続けてる大ベテラン。気象予報士の資格もお持ちです。
 タケさんは、トレランの趣味を超越。昨年のUTMBを完走した日本人のお一人。
   UTMBとは、・・・・超人たちのウルトラレースです。

さあ、最近はめっきり体力低下した私達・・・・どんなことになるのでしょう。
(今回、お二人の撮影した写真を多く使わせてもらいました)

  

高尾駅でお二人をピックアップし
登山口近くの駐車場(通称:旧公民館駐車場)に8時過ぎに到着。今は使用出来ない文化洞トンネル河口湖側
駐車場の代替となっている様です。広い駐車場で富士山ナンバーの先着さんが一台。夏には人気コースも
積雪のある今のシーズンは登山者も少ない様です。 

<旧公民館駐車場> 帰宅時に撮影
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AM8:15  旧公民館駐車場 出発 

毛無山登山口は、文化洞トンネル河口湖側からですが
ヤマレコ等の情報から下のログファイル入手。
駐車場を出て左折し数十m先に毛無山尾根道にショートカットできる道があります。
今回、このルートを使用しました(案内標はありません)。
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結果、特に迷うことなく毛無山への登山路に合流。
あとは、一本道をひたすら登るのみ。

先週までの山行記録情報では、この尾根道ですでに積雪状態だったものが、すっかり融けてしまって
少し、拍子抜けした感じ。

30分程登り進むと河口湖の湖面を見下ろせる標高に。
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中間ポイントである小ピーク・ミネ山を越したあたりから
ちらほら残っていた雪も
毛無山への最後の急登斜面では完全に融けてしまっていました。
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すると、一気に眺望は富士山を中心とする大パノラマに・。
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AM9:30-9:43  毛無山 
約1時間15分で毛無山山頂に。
今日の天気は・・・文句のつけようの無いピーカンな青空。
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今回、この御坂山塊を計画して大正解でした!!
トシさんも、タケさんも御坂の山は初めてということで
ビギナーズラッキーですよ。
ここで、我が家から高尾で長野隊から頂いていた干し柿を取り出すと
なんとトシさんもご実家でつくられた干し柿と干し芋。ブツブツ交換させてもらいました(笑)。
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さて、本日は毛無山までがプロローグ。
これから、本日の核心部域入っていきます。十二ヶ岳は、この稜線最後のピークで毛無山からは
名前の通り、12個の小ピークが連なります。そして、小ピークにはピーク名を表示したプレートが
設けられていましたが・・・残っているでしょうか

歩きはじめて直ぐに、これまでのルートと異なり圧雪された残雪も多くなったのでチェーンアイゼンを
装着。
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一ヶ岳・・・通過
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二ヶ岳は見つけられず、三ヶ岳を通過し(ヤマレコレポに更に詳細写真あり)
四ッ岳!
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ここは、展望ポイント。西湖・河口湖、富士山全てを見渡せます。
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本日の前半行程のチェックポイント、十二ヶ岳の全貌も姿をみせてくれます。
残雪が急傾斜面に残っているようですが。。。
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四ヶ岳からは、ルートも岩場が多くなり
設置されたロープを使いながら下っていきます。夏なら、どうってことない岩場ですが、ところどころ
凍った雪が残っており・・・慎重にくだります。
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十ヶ岳は北側をトラバース。急斜面への残雪も多く、設置されたロープも雪に埋もれたいます。
ここも、慎重さが必要な場所。
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北側トラバースが終わると、十一ヶ岳への急斜面を登り返し。
この辺りになると、地力に勝るトシさん・タケさんが先行。こうち隊は、完全に息があがっちゃい
ました。
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AM10:40-10:50  十一ヶ岳 
 毛無山から1時間程で十一ヶ岳。ここから十二ヶ岳までは本日の核心部の一つ。
小休憩と落石対策でヘルメットを装着。トシさん、自転車用ヘルメット(笑)。
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 十ニヶ岳 東斜面(東壁といっても良いかな)。登山ルートは二つのルンゼ間の背の部分か。
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まずは、十一ヶ岳・十二ヶ岳間の鞍部まで下降。
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鞍部には、十二ヶ岳のシンボル橋「吊り橋」。
見かけ程の高さは無いですが・・・揺れます。吊り橋の前後に広場がないので渡ったら
即、登りです。
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ここで、耐力に勝るトシさん・タケさんに先に登ってもらい
私達はマイペースで。十一ヶ岳からの下りの様子も一望できます。奥の山は、三ッ峠山。
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この日の予報天気で心配されたのは風!!
稜線部では10m近い風予報で、
切通しになっている、この登りで吹かれると嫌だなと思っていましたが、幸いにも
ほぼ無風に近くラッキー(山頂近くで吹かれましたが)。

傾斜も緩み、再び積雪が多くなってくると山頂も近い。
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AM11:20-11:50 ランチ  十二ヶ岳 
桑留尾分岐をやりすごして、少し進むと十二ヶ岳山頂。
いつもなら、休んでいる登山者も多く場所探しも大変なんですが、今日は貸し切り状態。
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 富士山と銀色に輝く西湖の湖面も美しく、素晴らしい眺望です。
 トシさん・タケさんも東海地域に在住で、何故か御坂の山には縁が無かったそうですが、この景色に
堪能して下さった様です。
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 ここまでの稜線部に出たところで風の通り道の様な箇所をぬけてきましたが、ここは殆ど無風。 
陽だまりの展望ポイントでのんびりランチ。
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 ランチの後は、後半戦のスタート。
 後半も素晴らしい展望が続くはずです。

ちょっと、その前に、この小ピークを越えると
十二ヶ岳から西斜面の岩場急下りが待ち構えています。
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この急斜面、5年前に金山から十二ヶ岳へ歩いたときに登っていたのですが、下りは今回が初めて。
約20mのロープ場難所。十一ヶ岳の下りよりもアドベンチャー度は高く、ある程度の経験者でないと難しい
かな。
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下から、撮影したロープ場の様子。
この雪シーズンに、ここを登るのは12本アイゼンが必要ですね。
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 この先の登り返しは東斜面で雪も少なく鎖と梯子を登り返し、更に進むと小ピークが再び。
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このピークからは十二ヶ岳と先ほどのロープ場を一望できます。
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 そして、西側の稜線の先に鬼ヶ岳(左から2個目のピーク)。展望の良い場所ですが南側はスパッと
切れています。
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 樹林帯に入ると、平和な雪山ルートに。
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 御坂山塊の主稜線上にある金山まで富士山を背にした登り。
 前週の雪の様に締まっていなく踏み抜きで次第に疲れがたまるところ。
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PM 12:30-12:35  金山(鬼ヶ岳分岐)  
金山は、御坂山から黒岳・大石峠と続く御坂山塊主稜線上のチェックポイント。今回、私達の
歩いてきた枝尾根と合流するポイントです。南側斜面は伐採もされて富士山の展望ポイントでも
あります。
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ここからは、主稜線ルートを経て前方中央部の鬼ヶ岳を目指します。
緩やかに下りながら、最後は急登が待ち構えています。
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 雪道についてトレースもしっかりしており道に迷うこともありませんが・・・・苦手です。
 雪道歩き。 以前は余り苦にしなかったのに、これも加齢の影響なんでしょうか。トシさんと
 タケさんとの距離は見る間に離れていく。

 鞍部あたりで鬼ヶ岳の角(角の様な岩)が見え始めてきました。
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 鞍部から稜線も細くなり傾斜もきつくなってきました。
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 途中から、ルートは南側に変化し展望も良くなってきます。そして、鬼の角も次第に大きくなり
ゴールはもう直ぐ。
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 最後の登りは雪に覆われており、その背後には十二ヶ岳から歩いてきたルートを一望。
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 鬼の角を廻りこむと・・・・・本日の最終ピーク鬼ヶ岳に到着。
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PM 1:00-1:10  鬼ヶ岳 

今回で3回目の鬼ヶ岳。
しかし、この山頂で過去最高の展望が待ってくれていました。360度、クリアなスカイライン。
こんなの初めて。
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パノラマ写真でも納まらない展望を動画で撮影してみました。
雰囲気だけでも・・・・


下山ルートの雪頭ヶ岳
このピーク先に開放感抜群の展望ポイントがありますが、それは後ほど。
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 北岳・仙丈・鳳凰・甲斐駒 例年より雪少なめ?
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 日本200名山の毛無山、本栖湖湖畔の山が竜ヶ岳。1000円札とダイヤモンド富士で有名。
毛無山からの稜線上にある△ピークが気になりますが・・無名峰の様です。
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本日の男性陣、揃い踏み。 
この眺望に感動して頂いて、案内冥利につきました。
是非、お仲間と再訪してみてください。
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名残惜しいところですが
ここからの下山も時間を要するので下山開始。
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PM 1:22-1:42  雪頭ヶ岳 
名物の長い梯子を下りて雪の傾斜面を登ると、雪頭ヶ岳。
ここの山頂標はピークから西湖側に下った広場にあります。
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 この日一番の富士山展望が、この場所です。
 パラグライダーでもあれば、一気に飛び出せそう。
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そして富士山の裾野先に遠望できる山中湖には前週に歩いた鉄砲木ノ頭(カヤトの山)と
三国峠三国山・大洞山。
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この広場、既に雪も融けきっており泥濘状態。
ここまで装着していたチェーンアイゼンとヘルメットを外して麓のいやしの里まで
あとは下るのみ。 ・・・・下るのみでしたが、これからが悪路・難路。
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泥濘・樹林帯の雪・凍結・アイスバーン・・・・・こまめにチェーンアイゼンを装着すれば良かった(反省)
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 相方、太腿の筋肉を使いすぎて・・・軽い痙攣発生。
 大幅なブレーキとなってしまいました。
PM 3:00  西湖いやしの里根場 
 それでも、一時間20分ほどで無事に下山。 
 この場所は以前にレポしましたが、想いである場所。所属サッカークラブの夏合宿で
 子供達とボールを蹴っていたグランドも傍に。
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 そのグランド傍にある停留場が西湖周遊バスの乗り場。
 そして何よりラッキーだったのは、5分程の待ち時間で乗車できたこと。
 先週の籠坂峠でのバスといい今年は公共交通機関利用に縁がありそうです。

 西湖周遊バス 3:10発-  -西湖東口 3:20着

 文化洞トンネル手前のバス停 西湖東口で下車。
 ここから、徒歩5分ほどで旧公民館登山者駐車場。
 見上げると、十一ヶ岳と十二ヶ岳のキレットの様な谷間が良く分かり、今日の山行達成感に
 疲れで重たい足取りも軽そうに見えますね。
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 この後、トシさんを八王子の駅に送り無事に本日の山行はコンプリート。
 タケさんはUTMFも走る予定とか、練習コースとして御坂主稜線ルートを紹介しておきました。

 そして、このルートは、5時間程のコースタイムながら、飽きることないアドベンチャールート。
 今回の様な縦走も可能、また、十二ヶ岳から桑留尾へ下りることも可能です。

 ただ、危険な箇所もあるので経験者との同行がお勧めです。
 天候に恵まれれば、素晴らしい富士山展望が待って居ます。

 
 お付き合いありがとうございました。