クライネ・シャイデック  

レストランからクライネ・シャイデック駅までは、下り坂を数分。
ここには、是非、訪れたい場所が一つ。
スイスアルプスを愛してやまない新田次郎さんの墓碑というか記念碑があります。これは、チューリッヒ空港でガイドして頂いた女性とFB友人からもアドバイスして頂いた場所なんです。
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今日のガイドYさんに導かれて駅からちょっと外れた小山の上に「アルプスを愛した日本の作家、新田次郎ここに眠る」と刻まれた銅板をみつけることができました。ここに、新田次郎の奥様によって遺品の眼鏡・万年筆などの身の回りのものを埋めています。
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 そして、この記念碑からは新田さんの愛したアイガー・メンヒ・ユングフラウが眺められる良いロケーション。この場所に建てることを許可して頂いたスイスという国の優しさを感じます。⇒帰国後に山友「もろーさん」から、ツェルマットで紹介した新田次郎の著書「アルプスの谷 アルプスの村」はスイス大使館推薦図書とのこと。スイスへの貢献度が高いことも理由なんですね。
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 さて、クライネ・シャイデックのおさらい。この峠は登山鉄道の交差点。
これから向かうユングフラウヨッホ(赤線)は、スイス観光のハイライト。標高3454mのアルプスの奥座敷と呼ばれる景観は、ここに行ったものでないと味わえない(標高も高いけど、お値段も決して安くない)。なんといっても、凡そ100年前にメンヒとユングフラウのヨッホ(鞍部・肩)まで全長7.1kmのトンネルをアイガーに堀ったこと自体、信じられない話です。
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 その清水の舞台から飛び降りそうなチケット(ここだったら、アイガー北壁?)を購入すると乗車記念パスポートをもらえる(私達は日本語パスポート)。ユングフラウ鉄道の歴史や、ヨッホのガイドなど。チケットは少しだけ高いけど(チケット代+10CHF)座席予約で購入すると座席は指定されていませんが列車を待つ際に優先レーンにならび間違いなく座れます。
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さて、午後一番のヨッホへの折り返し便が入線してきました。赤と黒のツートンカラーにアクセントにドアが黄色。
お洒落な車体です。
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さあ、いよいよ乗りこみます。空にはユングフラウの山。この左側の稜線鞍部がヨッホ駅です。そうそう、ヨッホとは日本語で鞍部とか肩という意味です。
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13時 ユングフラウヨッホ 出発進行!!
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車窓からのユングフラウと氷河。
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途中駅 アイガーグレッチャーを過ぎるとアイガーを貫通するトンネルの中に。そして出発して20分ほどでトンネルの中の駅「アイガーメーヤ」に停車。停車時間5分で北壁とは反対側に広がるフィーシャー氷河が眺められる。
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 氷河の写真はガラス窓越し。
 それよりも、気になったのがアイガーへの登攀ルートのひとつ、ミッテルギ稜線へのルート。イッテQでイモトもこの駅でおりて稜線上のミッテルギ小屋に向かったはずだが、どこから出たのか分からなかった。
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残り時間・・・分。走れ走れ 乗り遅れるな。
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アイスメーア駅から暗い勾配のあるトンネルを登りすすむこと更に20分でユングフラフヨッホ駅に到着。後で地図を確認するとメンヒ頂上の真下も貫通していたこのトンネル。

  ユングフラウヨッホ  

 駅構内からトンネルを歩きすすみ、すぐに観光施設の建物に。
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 TOURの番号がもらったパスポートの案内にそっているので広い施設ですが迷わずにエレベータの最上階スフィンクステラス3571mに。屋外のテラスにでてみると目の前にメンヒの頂上部。
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 この建物の頂上部には銀色のドーム天文台が眺められる。ヨーロッパで最も高い観測所なんだって。
そして、ここには黒い鳥が・・群れ成している。
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人になれた烏 キバシカラスっといいますが、NHKチコちゃんにでているキヨエちゃんを思い出しちゃいました。
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展望を楽しんだ後、本日のミッション。
「メンヒヨッホ小屋」まで雪田ハイク。 午後4時には駅に戻る必要がありますが往復2時間の行程。
ふたたび、エレベータから地下にもどり、ヒンヤリとした空気の長いトンネルをぬけると・・・・
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一面の雪景色。スノーファン トップ・オブ・ヨーロッパとよばれるアトラクションエリア。スキー・スノーボード・ソリ等々 みなさん 思い思いに楽しんでいました。
私達のむかうメンヒヨッホ小屋は、この先の山と山の稜線の鞍部部分。左側のメンヒからの稜線の裏側になります。
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外気温 0℃。しかし、雲一つ、風も無風にちかい夏の雪。 シャーベット状で歩きづらい。
後方には、さっきまでいたスフィンクステラス。鋭角な岩峰の中にトンネルをほり、頂上部に建てられた展望台。こちらの方々は、どういった発想から思いたったんだろう。
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スノーファンにいた人々が嘘の様に、小屋まであるく人は疎ら。ユングフラウに来る殆どの人々は観光客。往復2時間歩く物好きはヨーロッパでも少ないようだ。そして、観光地の尖塔スフィンクスがユングフラフの山に飲み込まれてしまった。
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もう少しでメンヒの鞍部かな~。標高が高いだけに呼吸もあらくなった。
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最後の緩やかなカーブをまがるとメンヒの崖っぷちに信じられない建て方をした大きな小屋が見えてきた。
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小屋が建っているというよりも、崖っぷちに引っかかってるみたいな。
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標高3620mの山小屋「メンヒヨッホ小屋」 約45分で到達。
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小屋からのパノラマ(クリックで拡大可)。ここからはアイガーはメンヒの反対側でみることができません。
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ミッションクリアで、ユングフラウヨッホまで戻ります。
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とすると、コース外からあるく登山者が近づいてきます。メンヒ登頂を達成した登山者ですね。
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山の稜線を見上げると、続々と下りてきます。
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ガイドYさんの話では、最近はアイガーよりもメンヒでの遭難者が多いとか。メンヒもガイドが必須なんですがガイド無しで登ってしまう登山者が最近多くなったことが原因みたいです。

そして、・・・これは、誰か転倒した人の人型かな~。
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スイスの雪で戯れることも貴重な体験。
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スノーファンで目に付くチロリエンヌ。腰にハーネスを巻いて長さ200mのワイヤーロープで宙づり滑降。臆病者の私には無理無理です。動画で楽しんで下さい


ユングフラウヨッホには、他にも色々とガイドサインにそって歩くと楽しませてくれるアトラクションがあるんですが、記憶に残るのは、ここ。アイスパレス。
 製氷機の中を歩いているようで全てが氷。滑って尻もちつかない様に慎重に慎重に。
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アイスパレスを抜けると氷河の雪原。
スイス国旗とユングフラウが背景になる角度に記念写真行列。ここは、東洋系の観光客が大勢。
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私達は、つつましく、ユングフラウ無しでパチリ!!
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アレッチ?氷河の最高部の雪原のようでユングフラウが間近。
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アレッチ氷河。
ユングフラウ乙女の透きとおる長い髪といわれるヨーロッパ最長の氷河。ゴルナーグラートで間近にみた氷河は荒々しさを感じましたが、こちらの氷河は女性的です。だから、フラウなんだな~と一人なっとく。
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予約していた帰りの列車は4時半。駅構内への入り口に日本の郵便ポストを発見。日本の富士山5合目郵便局と姉妹締結の記念との説明されていた。姉妹ということは富士山もフラウなんだ。
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列車は定刻通りに到着。
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そして、定刻通りにクライネ・シャイデック。スイスの列車ダイヤは正確です。さすが、時計の国だけのことはある。
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クライネ・シャイデックからグリンデルワルドへ列車を乗り替え。
今日は遅くなり歩けなかったアイガートレイル(北壁の下部を歩く-約3時間のトレイル)を車窓から眺める。岩壁間近まで牧草地が続いています。
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 麓を見下ろすとグリンデルワルドの街というよりも村。ツェルマットは狭い谷間に建物が密集していたが、こちらは緑の絨毯に点々と三角屋根の建物(シャレー)がたっている。 ここに大型のホテルは絶対に建ててもらいたくない。
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ホテルにもどり、スーパーで買ってきたビールとサラダ・チキンでアイガーを眺めながら夕食。
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日没が近づいてくると、雲もとれてアイガーの岩肌が夕焼けにそまってきた。
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山頂部の拡大。
左側の垂直にちかい岩稜、これがジャンダルム。アイガー山頂までの最後の難関。200mの岩登り。イモトもYさんも、ツェルマットのOさんも登ったんですね。女性はスゴイ!!
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太陽も沈むと
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 ミッテルギ稜線に小屋の灯りがみえてきた。ミッテルギ小屋です。
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日本に縁のある小屋なんですが、
  この辺は、新田次郎のグリンデルワルドで宿泊ホテルと老ガイドに絡む話があります。
  そして、私達の偶然的な話を次回に。